【法人税】社宅を借りて節税-固定資産税の課税標準額を調べる-
前回、社宅を借りることによって家賃を会社の経費で落とす方法について解説しました。
( 【法人税】社宅を借りて節税 )
今回は、「賃貸料相当額」を計算するために必要な固定資産税の課税標準額を調べる方法について解説していきます。これがあるかどうかによって社宅利用者が負担する家賃が大きく変わってきますので重要な部分となります。
1.オーナーの方に依頼する(または管理会社に依頼する)
この方法が一番簡単です。社宅のオーナーに「固定資産税・都市計画税課税明細書」のコピーをいただけるよう依頼してみてください。都心の場合はオーナーと直接契約より管理会社を通しての契約が多いかと思いますので、その際は管理会社に依頼してみてください。
(出典:土岐市「課税明細書の見方について」)
「固定資産税・都市計画税課税明細書」のコピーを依頼されて二つ返事で出してくれるオーナーはいないと思います。
理由としては主に2つ考えられます。
●自らの財産である不動産の情報を提供したくない
●社宅の不動産以外の不動産も載っている
私はクライアント様で”賃借人の方から「固定資産税・都市計画税課税明細書」のコピーを依頼されたのだけどどうすれば良いのか?”と相談されたことがあります。理由はやはり上記2つの理由からでした。私は以下のように回答し、賃借人の方にコピーを渡してあげても良いのではないかとお伝えしました。
●自らの財産である不動産の情報を提供したくない→賃借人でれば役所で知ることができます。
●社宅の不動産以外の不動産も載っている→該当箇所以外は隠してコピーしてあげれば良いかと。
実際にはこんな冷たい回答はしておりませんのでご安心ください!
2.役所で評価証明書を取得する
実は賃借人は役所で申請をすると「固定資産評価証明書」という固定資産税の課税標準額がわかるものを取得することができます。ただし、以下の情報や書類が必要となります。また、状況によって必要となる書類がことなりますので注意が必要です。
- 物件の所在地(登記簿の地番、家屋番号)
- 賃貸契約書
- 契約書に基づいて賃貸料を払い込んだ領収書等
状況ごとの必要書類をまとめておきます。
賃貸借契約期間内でオーナーと直接契約を結んでいる場合
●賃貸借契約書
賃貸借契約期間が過ぎており(自動更新期間)オーナーと直接契約を結んでいる場合
●賃貸借契約書
●賃料を払い込んだことがわかる領収書や通帳
管理会社と通してオーナーと契約を結んでいる場合⇒賃料の払い込み先が管理会社
●賃貸借契約書
●賃料を払い込んだことがわかる領収書や通帳
サブリースの場合⇒オーナーが契約書に出てこない
●賃貸借契約書
●賃料を払い込んだことがわかる領収書や通帳
●管理会社とオーナー間の契約書
役員社宅に興味はあるが具体的にどうすれば良いか分からない方は、まずは顧問税理士の先生に伺ってみてください。顧問税理士の先生が対応できない場合は是非お問合せください。